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油の臭いがする、それは、きっと自分自身から発せられる、体臭のようなものなんだろう、毎日、一人でこの寒い小屋にこもって車の部品を磨いてる。 玄関のドアが開き、お得意さまが現れた 「できたか?」 没落した富裕層。金はあるから、車が壊れるたびにこうやってきてくれる。そして、お金と、食べ物、特にお米とかをおいていってくれるのだ。 「はい。」 「時間よりも、早いじゃないか。流石だな、じゃあ、貰っていこう。ああ、あと、君へ、プレゼントがあるんだ」 現れたのは、真っ赤なテレビ。古ぼけて、くすんでいるものの、使えそうだ 「古いテレビだ。まだ使えるぞ。」 「ありがとうございます」 「いいや、礼には及ばない」 彼は黒い帽子を脱いで白髪の頭を出すと、軽く、頭を下げた。 「またのお越しを」 と、いうと、彼はにっこり笑った さて、テレビの配線をしよう、と思って、テレビを抱える。 多分、こうだろう、とテレビをいじくりまくって、電源を入れる。ブチッと、言う音と共に色とりどりの世界がそこに移った。 「いやいや、だからさ、山田君」 「いや、山谷です」 「あ、そうそう、山谷君」 菊田は秘書の山谷に椅子を見せながら言った。 「座布団、持ってきてよ」 「だから、山田だったんですね?」 「イエスイエス」 その瞬間、社長室のドアがノックされた 「どうぞ。山田君、明けて」 「山谷です……」 と呟く男が開けようとした瞬間に、菊谷がずかずかと入ってきた。 「シャチョオウ! 何ですか、わたしのパソコンに送りつけられたあの設計図は!?」 「ウインド……ああ、山谷君はちょっと、外してて」 山谷は頭を下げ、部屋の外に出ていった。 「ウインドの設計図は見たな?」 「ええ、まあ。あんなの、科学的に、ありえるんですか?技術的に、十世紀近く先をいっています」 「実際、作ったんだから、しょうがない。」 「……」 「分かっただろう?武藏さんは、人間としてイッてても、設計図作成、アームヘッド作成においては、天才的なのさ」 菊谷は、ゆっくり、息を吸った。あり得ない、密かに呟いた。これを作ったのが、菊田武藏なら、彼は、超がかなりの量でつく、超天才、と言うことになる。人としては、何かが欠けているが 「それに、わたしの姉の存在も、知っただろう?」 「アンチ・ウインドの事ですね?」 「彼女らを、解放した。」 菊谷は菊田を睨んだ 「それは?」 「武藏さんが、この前会ったとき、言った。『菊田家の男は、過労死する運命にある』ということと、『ルーンズの制御権は俺に、渡す』ということ……『ウインドが、目覚めるだろう』と、言うこと。だから、彼女らを四方八方、散らせたのさ。」 菊谷は分かりました、と言うと部屋から出ていった。
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「菊田アッ!」 そう叫んで飛び込んできた宝生のキックを菊田は避けることができなかった。 「ゴメスッ」 奇怪な事を言って菊田は倒れた。 「あら、おじさん、こんにちは」 宝生は菊田の横にいた武藏に気がつき、あいさつをした。 「な、なんのようだ? 宝生」 菊田は宝生に踏まれながらうなるように言った。 「そうだった、これ」 宝生は菊田の上から退きながら、持ってきた鞄の中から、あるものを取りだした。 「……これは」 それは、輝くアームコア、ユグドラシルだった。驚く菊田に対して、武藏はあまり驚く気配を見せない。 「やはり、もどってきたか。ユグドラシル」 武藏は呟いた 「……おじさん?」 「宝生、君に見せなければならない、物がある。言左右衛門、お前も、ついてきてくれ」 武藏に従うまま歩くと、菊田重工本社内のもう使われていない試験プラントにたどり着いた。 「父さん、ここは?」 「……これを、みろ」 そういって試験プラント内の電源を入れた。部屋の中が明るくなると同時に、一体の赤いアームヘッドがそこにあった。 「……これは?」 「あと、角をつければ完成なんだ。」 「これはなんなんだっ父さんッ! また、また変な物を作って居るんじゃないだろうな? 答ろッ!」 叫ぶ菊田に対して、武藏は冷静に答えた。 「これが何? 簡単だ。私が、託された物だよ」 「……託された?」 「そうだ。ラグナロク消滅の少し前、その老人はやって来て、私に、見えない設計図を託したんだよあたまになかにね」 凶人とも取れるその発言に、菊田は舌打ちした。 「……オーディン?」 宝生は、ついそう呟いていた。違うかもしれない、だが確かに、これはオーディンのようにも見える。 「……君がそう思うのなら、これはオーディンだ。」 武藏は、にっこりと笑った。 「……それを、貸してくれ」 武藏は宝生からアームコアを奪うと、なにやらよく分からない作業をし、手元にあった金槌で叩き始めた。 アットいう間に、巨大な、それでいて美しい一本のアームホーンが完成した 「……これは?」 宝生の問いかけに武藏は答えることなく、それを持って、赤いアームヘッドの頭へ続くはしごを、その巨大なホーンを持ったまま上がっていった。 そして少しすると、それは完全にアームヘッドの一部となった。 「完成だ。」 そのアームヘッドは、その瞬間、赤く輝き、コックピットが開いた。 「APPDシステムを稼働させたアームヘッドの機動力の二倍以上の機動力を持つアームヘッドだ。名前は。君が決めろ」 武藏の言葉も無視して、コックピットに乗り込んだ。 色々なシステムを起動させる。 「……」 つい、息をのむ。なんていうアームヘッドだ。触って分かる。 (久しぶりだ、宝生) 心に触れる、懐かしい声。 「……久しぶりだね、オーディン。」 武藏がやってくれたのか、それとも菊田のねぎらいか、試験プラントの天井ハッチが開き、アームヘッド射出用のレールがせり出した。 「……行くぜぇ……オーディンッラグナロオオック!」
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「あー」私は菊田の話を思い出すたびにこんな風なため息をついた。オーディンの設計図も了承のうえ取られちゃったから、村井にどう弁解しようかな。私はふと、『明日、この前の公園で会おう』という菊田との約束を思い出した。後には菊田の使わした守野屋スーの影が電信柱や家々の影をひょいひょいと誰にも見られることなくついてきているのが分かった。 そんなことを考えていても、村井は何も聞いてこなかったし、簡単に次の日は来てしまった。しかし起きた時間が問題だった。夜の八時に私は起床してしまった。 「やばい!」私は叫ぶと着替えて、公園に向かった。村井はもう寝ているようで、早寝早起きを心がけたいいこだよ。まったく。 公園に着くと、何かの物陰が二つあった。おおきな影だ。一瞬スルトかと思ったが、違う。「エインヘリヤルだ!」私は公園を取り囲む壁に隠れた。守野屋も真横に来た。「素人にしては良い判断だ。」そんなこと聞いてない エインヘリヤルではない方のアームヘッドから何か光が発せられる。棒状になった光の槍はエインヘリヤルを貫いた。エインヘリヤルは灰のように砂状になって消え、地面にはアームホーンのみが突き刺さった。 「……なに?あれ」私が声を漏らすと、守野屋が言った「村井研究所の開発したアームヘッドを自壊にまで至らせることのできる粒子砲だ。あんなもの何処に当たってもウイルスが回ってきて……アームヘッドは死ぬだろうな」 エインヘリヤルを貫いた方のアームヘッドの中から、誰かが降りてきた。見たことのある黒い髪に、顔。 「……ユッキー?」私が呟くと、守野屋は私のほうを睨んだ。「ユッキー?村井雪那か。……なるほどアレが噂のリアルメシアか」私は尋ねる「リアルメシア?」 守野屋は言う「村井研究所の開発したアームヘッド。まだ試作段階らしいけど……」 その瞬間、枝の折れる音がした。私が踏んでしまったらしい。「あっ」 「だれ?」村井の声。「だれ?そこにいるのは!」 「逃げるぞ。」守野屋は私の手を取ると、立ち上がらせて、走り出した 菊田の秘密基地らしい変な建物に案内されると、見たことのある景色があった。 「宝生!どうしたんだ?今日……守野屋。何かあったのか?」 「……リアルメシアです。宝生は狙われる事になった可能性が。……リアルメシアは村井研究所の絶対機密事項です……私達も早くここからでた方が……」守野屋が言いかけた瞬間、上から巨大な何かがおちてきた。リアルメシアだ。エインヘリヤルもいっぱいいる。 「……李、後は頼む。トラックに乗れ。宝生にアレを紹介して、三人で逃げるんだ。」菊田がそういうと、李と呼ばれたあの女性の顔は曇った。「速く!」菊田は怒鳴った。李は目の中に涙を溜めながらも頷いた。「宝生!」私は何かにぎゅぎゅう入れられると、その中が明るくなった。「宝生、聞こえるな?アームヘッドの動かし方は分かるだろう……さあ、行くぞ!使い方はアームヘッドが教えてくれるはずだ」目の前の黄色いトラックが動き出した。 私はそのあとをついていく。不思議と身体が動いた。目の前をふさごうとする。エインヘリヤル共も対して問題ではなかった。 私の後で、おおきな火柱が立った。
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斬激は、フェンリルに大きな傷跡を残した。 「フウウウ」 フェンリルはうなったが、菊田は引こうとはしない。 フェンリルが大きな口を開けながら突進すると、菊田のアームヘッドは、右足で下顎を押さえつけ、左手で上顎を固定すると、右手の刀で一閃した。 フェンリルが叫んで大きく口を開けると、菊田のアームヘッドはフェンリルの口の中に自ら入っていった。 そして、しばらくしてフェンリルの頭に角が生えた。 その角は横に倒れ、フェンリルはぐったりと動かなくなった。 中から一体の黒いアームヘッドが出てきた。 「やあ」 それはさも当然のように言った。 「感嘆するのは後だ。まだまだファントムは来るぜ」 菊田が言うと、そこに居たのは羽根を生やしたファントムだった。 「きどちゃん、次は、お前だ。」 「なぜ?」 「俺は、空中は範囲外なんだ。」 「だったら、俺も……」 「ミョルニルがなんのためにあると?」 「もう、諦めたら、どうかな?」 ラグナロクはしずかに言った。 片腕のないリアルメシアはふらふらと宙を舞っていた。雪那の意識も、ハッキリしているとは言い難い。 それにもかかわらず、リアルメシアの胴体部分に光が集まる。光がはき出され、ラグナロクはそれを堂々と受け止める。 「なぜ、何故自壊粒子砲が効かないんだ?」 「簡単だ。とても簡単なことだよ。わたしが、‘完全なる物体’だからさ。」 「……完全なる、物体?」 「そうさ。……わたしはすべてのパーツがアームコアでできているのさ。だから、貴様のちゃちな攻撃など……」 御蓮軍から放たれたミサイルをひょいとつまんだ。 「……通用しない」 手の中でミサイルが爆発した。リアルメシアがアームホーンをラグナロクに向け、全速力で体当たりをしようとする。しかし、それも、阻まれた。 ラグナロクは、蠅をたたき落とすように、リアルメシアを墜落させた。 「ざま、無いな。リアルメシア。無様だよ。」 「君の後処理は、わたしの忠実な蠅がやってくれるだろう。」 ラグナロクの身体から、大量の小型ファントムが現れた。 そのファントムはリアルメシアをゆっくりと包み込んでいった。
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「完成だぜ!」 李は自慢げに言った。シートの調節も終わり、ルミナスはヘルの中にすっぽり収まった。 「後は……」 李は完成手前の黄色いアームヘッドをみた。もうすぐ来るらしい新たなるメンバー用の機体らしい。 「まだ来ないとなると、シート調節ができーん」 「そうかりかりすんなよ、李。」 スーはバラバラにした銃を磨きながら言った。 「スーは良いよね。一人で出来るモンね。銃の解剖は。」 「解剖って何だよ。」 「李、レーダーに何か変なのが移ってる」 と、ヘルが言うと、李は、それを整備室のモニターに写した。 赤い色の点が、二つ。同じ速度だ。 「何だ?これ……ルミナス、旬香と一緒に、アームヘッドに乗れ。みてくるんだ。」 旬香はオーディンに乗り込むと、外に出た。 「敵だったらどうする?」 旬香が言うと、李は言う。 「……先手必勝。」 ルミナスはにやりと笑い、一つの影に飛びかかった。 残り一体の方に向かって、オーディンは直進する。 黒い針が飛ぶ。 「じゃ、まだァッ!」 それをシールドで防御し、たたき落とした。 「アーサー、変わろう。緑いのは私が始末する。お前は、赤いのを。」 オーディンが追撃しようとすると、何かがそれを阻んだ。 「我が名はアーサー。」 金色と紺色のカラーリング。2本の剣を手に持っている 「……私はオーディン」 二人が少し間をおくと、アーサーは消えた。それと同時にオーディンに2本のヒビがはしった。 「クッ」 オーディンが少し間をおくと、アーサーはまた消え、何度、何本もの傷が走る。 「ふざ……けんなっ」 抵抗しようとするが、抵抗できない 『旬香、槍をつかえ。』 『槍ぃ?』 オーディンからの声に旬香はそう答えた。 『そうだ。槍を、敵に向かって投げつけろ』 オーディンがバランスを失って倒れると、アーサーが目の前に現れた。 「……あっけないな。オーディン。楽しくなかったぞ。」 オーディンはサッと立ち上がり、槍をアーサーに向かって投げつける 「……投擲?無意味だ。」 アーサーが消えると、槍も消えた。そして、アーサーの驚く声だけが空間に響いた。 「な、ま、まさか。そんな。あるはずがない。」 旬香は不思議に思った。 「ぐああッ」 アーサーが倒れ、目の前には槍のみが立っている。 『これがグングニルの力だ。旬香。』 突如、ヘルからの緊急電波が流れた。 オーディンが駆けつけると、さっきのヤツが槍を持ってヘルに槍を振り下ろそうとしている 「……ルミナ……」 助けようとするが、遅かった。槍はヘルの身体に刺さった。 「だ、大丈夫だ。オーディン。わ、わたしは……こ、れし……」 と言いかけて、ヘルの動きが止まる。 「どうだね、死の棘が身体を突き破る感覚は。金属細胞一つ一つに棘が入り込み……死ぬ。」 ヘルの身体は徐々に灰のような砂状に変わっていく。 「……へ」 叫びかけた途端、強烈な光が突き抜けた。
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概要 このwikiはGTA5のオンラインモード「GTAオンライン」における、PvPについての情報をまとめた非公式wikiです。 PvP関連を専門としていない先駆サイト https //w.atwiki.jp/gtav/ こちらのサイトにおけるPvPの情報が不足気味でしたので、独立してwikiを立てることとしました。 なお、このサイトは上記サイトから認められているわけではない、無関係のサイトです。 編集について ほとんどのページを自由編集としています。 PvPが得意/興味がある諸兄の協力を期待しています。 総合wikiやその他サイトからのコピペは固く禁じます! 【公式】:https //www.rockstargames.com/jp/ ※当wikiは非公式の攻略wikiです。情報の妥当性や正確性について保証するものではなく、一切の責任を負いかねます。 ※当wikiを利用することによって生じるいかなる損害も当サイトでは補償致しません。 ※ご利用につきましては自己責任となりますのでご注意ください。 ※また、当wikiおよびwiki管理人はGTA運営様とは一切関係がありません。wiki管理人にエラーなどについて問い合わせないようお願いします。 ※文章の著作権は当wikiにあります。内容の複写、転載を禁じます。 ※当wikiで使用している画像、情報等の権利は、Rockstargamesに帰属します。
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「ぐあッ」 ルミナスがそういうと、ヘルの身体は遠くに飛ばされた。 「……クソ……」 ロキがぼやくと、目の前には一体のファントムがあった。 「……」 ロキとファントムはにらみ合うと、ファントムは武器を構えた。ロキも攻撃しようとするが、右腕が動かない。故障したのだ。 「こんなところで……」 その瞬間、ファントムの頭が飛び、地面に転がった。ファントムの身体は、ぐらりと揺れ、倒れた。 「何だ……?」 そこにいたのは、一体の赤いアームヘッドだった。 「大丈夫か?」 オーディンが言う 「遅いじゃないか。宝生」 「どういたしまして、感激するのは後にしよう」 ラグナロクは、すべてを見据えながら一人で顔を歪ませた。 「誰だねそこにいるのは。」 七体のアームヘッド、クーフーリン、アーサー、ルー、フィンマックール、ダグサ、モーガン・ル・フェイ、ゲッシュだった。 「お前を始末する」 「やってみろ。粉末にして海に流してやる」 七体のアームヘッドが動こうとした瞬間、ラグナロクから大量の光線が放たれた。それはアームヘッド達に直撃した。 「ぐああ」 ゲッシュとクーフーリンが飛び上がり、槍を突き刺した。 「……これで、終わりだ。」 ラグナロクはびくともせず、槍を持ってそのままゲッシュとクーフーリンを持ち上げた。ラグナロクの手は、二体のアームヘッドをすっぽりと包み込んでしまった。 「グッバイ、ディァフレンズ」 ラグナロクが少し力を入れた途端、悲鳴を上げる間もなく二体のアームヘッドは一つの鉄塊になった。 その鉄塊をラグナロクは遠く上空を飛ぶヘリコプターに投げつけた。ヘリコプターに鉄塊は直撃し、墜落した。 起きあがろうとしたアームヘッド達を踏みつぶしながら、高さはゆうに二十メートルを超えるほどのオオカミが現れた。 「フェンリル。来たか。……行け。くだらん抵抗をするあいつらを食い散らしてやれ……ユミル、出番だ。アレを始めなさい……」 「おじいさま」 「きたか、雪那。」 「単刀直入にいいましょう、行かせてください」 平幸はこめかみを押さえた 「ダメだ。雪那……お前まで死んでしまっては……」 「お父様は死んでいません」 雪那が、踵を返して、アームヘッドの発射場に行こうとする 「……行くのか、雪那」 雪那はゆっくり頷いた 「わたしは、‘わたし’です。……もう、あなたの言うことは聞きません。……勿論、旬香を殺すことも、……もう、やりません」 雪那はリアルメシアに乗り込んだ。 (……父さん……あなたは、あなただったら、どう思いますか?……わたしは……我が儘でしょうか?) ハッチが開き、光が差し込んだ 「……わたしらしく……」 赤い色の、天使が飛び立った。
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「菊田が……死んだ!」菊田武蔵は机の上に頭を打ち付けた。 「ああああぁぁっぁぁあああ!言左右衛門ん!言左右衛門!なぜ、なぜしんだ!ああぁぁぁああ!」泣き叫ぶ武蔵の肩に秘書の菊谷雨禰が手を置いた。 「犯人は分かっています」菊谷が武蔵の耳元でささやいた。 「犯人は……」 武蔵は飛び上がったように羊皮紙を取り出すと、狂ったように設計図を書きだした。 「殺してやる。殺してやる!あいつら……あいつらに無情な痛みと、苦しみを与えさせる!」 できあがった設計図を武蔵は菊谷に渡した。 「殺してやる……」 「無人アームヘッドォ?」スーの言った一言に作業中の李は火花を散らしながら言った。 「宇宙圏で活動が可能なアームヘッドだ。菊田重工、村井研究所、この二つが共に研究して開発に成功したらしい。」スーは後にある机に体重を載せると、横にあるコーヒーの入ったマグカップを手にとった。 「無人アームヘッドね。アームヘッドは人が乗る物は最早定義だよ。……無人アームヘッドねえ」李はやるせなさそうにいった。「無人になると、魅力がないな。ただの殺人兵器って感じだ。……まあ戦争する方は良いだろうね」と李が残念そうに良いながら手を動かすと、スーは自慢げに言った。 「無人アームヘッドは……喋るらしい」 「……ホントに?」 「ああ。」 李は溶接工具のスイッチを切ると、地面に置いた。 「まじで?それって本当?スー!ねえ、ほんとう?それ」スーは頷いた。「ああ」 スーが言うと、李は小躍りをした。 「あっまた負けた。」と、ルミナスがゲームのコントローラーを落とした。「シュンちゃんつよいよ。」 「ふふふ。学校を退学になったときにそれはもうひどくニートのような生活をしていたからね。それでも筋肉はおちないのだ」と私が自慢げに言うと、ルミナスが羨ましそうにいう。「いいなあ」 「よっし!できた」後を振り向くと装甲のついていないアームヘッドが一体あった。 「おお、すごいじゃん」とルミナスは近くに寄った。すると、ルミナスの頭の中で何かが炸裂した。 ‘あなたが……わたくしの力を使う者?’身体の下半身が真っ黒に腐った女性が現れる。彼女は言った。 ‘随分貧弱ね。’それはルミナスの瞳の中をみた。‘けど、あなたの中から黒い狂気のような、危険な何かを感じる。……あなたの人生は……’そいつは間をおいた。二つの高い音と低い音の二つが流れているような、ノイズのような音声に変わった。‘とても面白いわ’ お前は……なにものだ ルミナスは心の中で言った。 ‘私はヘル。地獄の女王、ヘルよ。さあ、狂気の女の子?あなたの名前を聞かせてちょうだい’ 私は……ルミナス・ワイ・グーミャだ ‘そう。ルミナス……あなたと戦う日を待っているわ。’ 「ルっちゃん?」と宝生が聞いた。 「……あ、ああ。シュンちゃん。」 「何でもない。あ、李さん、これ完成したらちょっとのってみていい?」とルミナスがいうと、装甲をバチバチと溶かしながら作っている李は特に拒否するわけでもなく、頷いた。
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彼女らが出ていった後、久世は台所へ向かった。スイッチを押すだけで、ご飯が炊ける時代になったとは、時代は凄い。こんな、クソみたいに寒い所でも、ご飯はうまい みそ汁の入った鍋を温め始める。それまでにご飯を食べ終わりそうだ。 「……今日は、寝られるかな」 一人で呟いた。 後では、見たことのある黄ドレスが、みそ汁を注ぎ、そして久世の横に座って、みそ汁をすすった。 「あー、みそしるうまい」 久世はその黄ドレスの方を見た。ウルズだ。 「……」 一瞬の沈黙が流れた後、久世は状況を理解した。 「おまっ」 「ちーっす」 それでもみそ汁をすすり続けるウルズ。そして気が付けば、ウィアドとオシラもちょこんと座っている 「な、ん、で、お前等も居るんだよぉ!ああ!もう!」 久世が叫ぶと、ウィアドは静かに言った。 「うるさい男だこと。お茶が美味しくなくなるわ」 人の戸棚から、純白のカップを取り出し、紅茶を淹れ、そして勝手にすすっているウィアドがいた。 「な、んで、勝手にお茶を楽しんでるんだよおッ」 それでもみそ汁を、紅茶をすすり続ける二人。一向に動く気配のないオシラが、仏のようだ、と久世は思った。 「オシラも、飲んで良いぞ」 ウルズがみそ汁を鍋ごとオシラの前に置く。 オシラは、鍋を見ると、ゆっくり飲み干した。鍋ごと。 「……」 また、沈黙のひととき。 ふと、耳を傾けてみると、エンジン音がきこえてくる。これは、400シーシーの、バイクだ。 「来たようね。」 ウィアドが呟いた。 「オシラ、開けてきて頂戴」 オシラは頷くと、玄関のドアを開けた。冷たい風が入り込む。 「さむ、さむ。家の中も寒そうだな、財布の中とか」 どうせ、同じような奴だろう、と思っていたら、その通り、黒いドレスを身に包み、緑色の肩まである髪を白い髪留めで留めていた。 「こんばんは」 もう、おどろかねえ。 「驚かないね、この人間。」 「もう、私達が好き放題やっているんだもの」 好き勝手にやっている自覚があるのか。と、呟いた 「ベルカナ、ちゃんと持ってきたの?」 「はい、どうぞ」 緑髪は、ウィアドに麻袋に包まれた、人型の物を手渡した。 人さらい……。久世は、呟いた
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つい最近隊長になった、(正確に言うとなってしまった)美井山は売店の自動販売機でコーヒーを買った。その熱さは彼女の手を傷つけた。 「あつ」 思わず手を放してしまい、コーヒーはフローリングの床に落ちた。 「はあ」 自分のこの鬱陶しい憂鬱をはね飛ばしたいものの、どうすることもできなかった。私はため息をつきながら缶コーヒーを拾った。まだ熱い。私はコーヒーを両の手で転がした。 天井から吊してあるテレビに目をやってみると、生きていたらしいアイネアスがテレビに出ている。どうやら、近くにいた人に助けてもらって、自分は生き延びたらしい。ああ、昨日もやってたな 私は缶コーヒーを開けた。白い湯気が上がり、口の中にはコーヒーの独特の香りが広がり、苦みと酸味が広がって、熱いその液体は私の喉を通っていく。ん?また間違えて微糖を買ってしまったらしい。少し甘い。 「……軍も、アイネアスを失うのはイタイらしいな。」 「ここにいたんですか?」 少し長めの黒い髪をそのままおろし、警察の制服を着てバッチをつけた青年が居た。新山岡だ。新山岡はニヤッと笑って茶化すような声で言う 「キムタクさんがよんでますよ」 ああ!このむかつく笑い方!私は睨みつけた。 「すいません」 彼は頭を下げた。別にそこまでしなくっても。 「……今はそんな気分じゃ……ない。木村にいっといてよ。『美井山さんは、帰りましたー』って。ね?」 彼はため息をついて顔をゆるませた。 「わかりましたよ」 「……じゃあね」 「……ッ美井山さん!ずる休みできるの、今日限りですよ」 美井山は新山岡に手を振ると、去っていった。 「……’あいつら’は……もうすぐ……」 アイネアスメイヤーは、手首の包帯がやっと取れたことに感激を憶えた。こんにちの医学はここまで進んでいるのか。こんなに簡単に包帯が取れるとは気づかなかった。 「さ、これで大丈夫ですよ。一が月ほどしたら、もう一度来てください」 私は答えずに立ち上がった。 「……あの証拠、消すの面倒だったんで、気をつけてください。これからは。まあ、あなたはきっと、軍にとっても重要な人材なんでしょうね」 部屋の中は静まりかえり、私は立ちあがった。 「とんだ軍医もあったもんだな」 私はうしろにある扉に手をかけた 「それでは、お大事に」 「……」 私は外に出て、扉を閉めた。 「ああ、隊長。大丈夫だったんですか?」 「……クボヤマ……だったな?」 そいつは私の前で立ち止まり、敬礼した。 「そういうのは、いい。用件を言え。何があった?」 「作業用のアームヘッドが暴走中との情報が……」 私は歩き出した。 「……行かないんですか?」 「……そういうのに適したのか警察にいるだろう?そいつらに任せておけよ」 「あと、ですね、菊田重工の菊田武蔵氏が、面会を求めています。」 私はずっと聞いていなかった菊田という名前を聞いた。 「……キクダゴンザエモンの……父親だったか?」 クボヤマは頷いた。彼の黒い髪が揺れる 「……いまからか?」 「はい」 私はあるき出した。全く、病み上がりの人間を……